けいれん性便秘(過敏性腸症候群)は、ストレス性便秘ともいわれており、腹痛や腹部の不快感、下痢などを伴う症状です。
主に、自律神経のバランスが乱れて大腸がけいれんしたり、ぜん動運動が活発になりすぎたりすることが原因でなります。
また、ストレス性便秘は完璧主義な人ほどなりやすい特徴があります。
けいれん性便秘の症状
けいれん性便秘は、職場や私生活のストレスによって自律神経のバランスが悪くなり、セロトニンが過剰に分泌されて腸内が混乱している状態をいいます。
腸の動きが活発になりすぎたり、けいれんしたりすることで、正常な便が排出されなくなる症状です。
下痢
腸管運動が異常に活発化することで、下痢を招きます。
脳と腸はネットワークのように繋がっているので、脳で受けたストレスは腸に直結します。
そのためストレスは排便障害にも影響を及ぼすのです。下痢が続いているようであれば、けいれん性便秘である可能性が高いでしょう。
コロコロとした便が出る
大腸の蠕動運動がけいれんすることで、一部の腸壁が狭くなりコロコロとした便になります。
このような便が出て、お腹が張ったり、ゴロゴロとお腹がなったりするようであればけいれん性便秘だと考えられます。
けいれん性便秘の原因は自律神経の乱れ
けいれん性便秘は、自律神経の乱れが原因でおこります。
ストレスや不規則な生活、偏った食事で自律神経が乱れると、神経伝達物質のセロトニンが大量に分泌されるなどの異常が生じるため排便障害に陥ります。
ストレスによって不安状態になると、腸の収縮運動が激しくなり、また、痛みを感じやすい知覚過敏状態になります。
引用元: 日本消化器病学会ガイドライン
自律神経には、副交感神経と交感神経があります。
交感神経が優位になると腸の働きが抑えられますが、その反面、副交感神経が優位になると腸の動きが活発化します。
これらの伝達が混乱を起こすと、腸にまで影響を及ぼして正常に機能しなくなります。

けいれん性便秘を改善したいのであれば、自律神経を整えることが大切です。
けいれん性便秘になりやすい人の特徴
けいれん性便秘はとくに20代に多く発症しており、男性よりも女性がなりやすいと言われています。また下記のような性格の人は、けいれん性便秘になりやすい傾向があります。
神経質な性格の人
神経質な性格だと不規則で不摂生な生活や、過労などによって症状が引き起こされます。
イライラやストレスが続くと、けいれん性便秘になりやすい傾向があります。
繊細で感受性が強い人
繊細で感受性が強いと、普段から周囲にさまざまなストレスを感じてしまいます。
ストレスは便秘と大きく関係していきますから、いずれけいれん性便秘を引き起こしかねません。
自分の感情をうまく表現できない人
自分の感情をうまく表現できずに、ストレスを認識することが苦手だという傾向がある人のことをアレキシサイミア(失感情症)といいます。
気持ちを言葉で表現できないので身体が代わりに限界をむかえて、けいれん性便秘を引き起こしてしまいます。
自律神経失調症の人
自律神経失調症になると身体をはたらかせる自律神経のバランスが乱れて、具合が悪くなったり精神的に落ち込んだりします。
けいれん性便秘は自律神経失調症のひとつにあたり、その他の症状も併発する可能性もあります。
けいれん性便秘の改善法
ストレスを解消する
けいれん性便秘を改善するのであれば、ストレスを軽減するのが一番です。
ストレッチやショッピング、長めの入浴など心身ともにリラックスできる環境作りをおこないましょう。
生活習慣の見直し
正常な生活習慣を身につけなければ、けいれん性便秘は改善されません。
夜ふかしを辞めてしっかり睡眠をとったり、3食しっかり食事をとったりすることで自律神経が整います。
自律神経が整うことで不眠症、うつ病なども一緒に改善されます。
あらゆる症状を緩和することができるので、生活習慣の見直しは便秘だけでなく、身体の健康のためにとても重要なことです。